こんにちは!
Thinkです(Twitterアカウント👉https://twitter.com/Think_blog_2019)
近年、技術の進歩によってパソコンやテレビのディスプレイにOLED(有機EL)が搭載されることが増えてきました。
この記事では今まで使われてきた液晶とOLEDの違いについて解説しています。
興味がある方は是非ご覧ください。
①OLEDが使われている身近な物
OLEDが使われている一番身近なものは、おそらくスマートフォンになるかと思います。
例えばAppleのiPhoneシリーズやサムスンのギャラクシーシリーズです。
スマートフォンは今の時代常に肌身離さず持ち運ぶものなので、この記事の説明を読むときにはスマートフォンをイメージしてもらえるとより理解しやすいと思います。
②液晶とOLEDの大きな違い
液晶とOLEDで一番大きな違いが「コントラスト比」です。
文字通りケタ違いの差があります。
コントラスト比とは、ディスプレイに表示される最も明るい(白)部分と最も暗い(黒)部分との明るさの比を表しています。
例えば、コントラスト比1400:1と書いてあった場合、黒の明るさが1のとき白の明るさが1400あるということです。
「黒の明るさ」と書くと違和感があるかもしれませんが、ディスプレイは黒も「発色」していますので、「どれだけ黒を正確に発色できるか?」というのが重要になってきます。
つまり、コントラスト比が黒1に対して白の数字が大きくなればなるほど、白と黒の差がくっきりしてくることになります。
ひと昔前のモデルになりますが、iPhone11シリーズには、液晶ディスプレイを搭載したiPhone11とOLEDを搭載したiPhone11 Proがありますので、これらを比較してみます。
機種 | コントラスト比 |
iPhone11 | 1400:1 |
iPhone11 Pro | 2000000:1 |
iPhone11ProのほうがiPhone11よりも黒を表現する力が約1400倍良いということになります。
黒の表現が良いということは、写真などの映像を表示したときに影とそれ以外の部分を明確に表現できるので、よりリアルな映像として表現できるのです。
左:液晶ディスプレイ 右:OLEDディスプレイ
③なぜコントラスト比が液晶とOLEDでこんなに違うのか?
ズバリ、コントラスト比の違いが出る原因は、液晶とOLEDでは発光の原理が違うからです。
液晶ディスプレイの発光原理
液晶ディスプレイの場合は、
- バックライトという発光源があります。
- バックライトから出た光は偏光フィルターを通ります
- 偏光フィルターを通った光は、電気を流すと偏光を起こす物質が入った相を通ります。
- その後光は色の三原色が搭載された相を通過し、「白色」として発行します。
- 3.の時点で、電気を流して偏光を起こした場合、この相で光がシャットアウトされてしまい色の三原色の相に光が流れないため、黒色に見えます。
- しかし、その時は発光源は光ったままです。そのため、若干の光が漏れてしまいます。
OLEDの発光原理
- OLEDは、色の三原色の素子自体が発光します。
- 色を出すときは必要な素子だけ発光させ、不要な素子は発光しません
- 液晶と比べて発光源がないため、発光しない素子が「黒」を生み出します。
④OLEDのメリット
OLEDは色合いももちろんのこと、バックライトがないため液晶と比べて画面を薄型にできるメリットがあります。
また、ガラスを使わなくてもいいので柔らかい素材で作ることができるので、折り畳み式のディスプレイの開発が進んでいます。
折りたたみ式のディスプレイを採用した商品として、サムスンのGalaxy Z Foldシリーズが有名です。
⑤今後の展開
最近はiPhoneをはじめとする情報端末のほかに、TVやPCといった家電にもOLEDを搭載した商品が増えてきました(ただし、高い・・・)。
一昔前、OLEDは寿命が短かったり、焼き付き現象が発生しやすかったりと、耐久性に難ありといった状態でしたが、ここ数年で実使用に耐えるレベルに進化したようです。
また、iPadといった大型の画面サイズを搭載した商品も、今よりも低価格でOLEDを搭載したモデルが出る可能性もあります。
ただ、コストがかかるためか、「ミニLED」というタイプのディスプレイを搭載したものが発売されてきました。
OLEDはコストが一番の問題かもしれません。
今後の技術の発展に期待です。