こんにちは!
Thinkです(Xアカウント👉https://x.com/Think_blog_2019)
今回は、レノボ様からノートパソコン「Thinkpad T15g」のレビュー機をお借りすることができましたので、記事を書きました。
Thinkpadといえば、一般向けにはモバイル用のCPUを搭載しているモバイルノートパソコンというイメージがありますが、本機器の特徴は高性能CPUとGPUを搭載しているのでゲーミングノートパソコンとして使える性能を持っています。
Thinkpadはもともと耐久性が高く、キーボードも打ちやすいことで人気がありますが、ゲームができるほどの性能を持ったものは、一般向けではThinkpad X1 extremeと(どちらかといえば)企業向けのモバイルワークステーションThinkpad p1、p15、p17くらいしかありませんでした。
本機種は一般向けのTシリーズとして発売され、ゲーム向けとして発売されたものではありませんが、ゲームできる性能を十分持っています。
そのため
✅Thinkpadでゲームやクリエイター向けの作業をしたい方
✅デスクトップを置くスペースが無いので高性能なノートパソコンが欲しいかた
✅据え置きでいいのでできるだけ高性能なノートパソコンが欲しいかた
は、ぜひご覧ください。
①レビュー機の仕様
今回お借りしたレビュー機の仕様は以下の通りとなります。
<CPU>
intel Xeon W-10855M(8コア/16スレッド)
<GPU>
NVIDIA GeForce RTX 2080(8GB GDDR6 MAX-Q)
<メモリ>
32GB(最大128GB)
<記憶装置>
SSD512GB(m.2、NVME)
<ディスプレイ>
15.6インチ OLED 4K(3840×2160)、マルチタッチ
<インターフェース>
・HDMI×1
・マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック
・USB3.1 Gen1 Type-A ×2(内1つはUSB PD対応) 、USB3.1 Gen1 Type-C×1、USB3.1 Gen2×2(Thunderbolt3対応)
・有線LAN
・WWAN対応(LTE)
・WEBカメラ(Windows Hello顔認証カメラ搭載)
・SDカードスロット
<寸法>
375.4mm(幅)×252.3mm(奥行き)×24.5~31.45mm(高さ)
<重量>
約2.74kg
<バッテリー駆動時間>
最大17.4時間
本機種は購入時にカスタマイズすることができ、CPUはintel製の一般向けのCoreシリーズの他に主にサーバー用で使用されるXeonシリーズを搭載できます。
XeonシリーズはCoreシリーズと比較して、データの信頼性が高かったり使える機能が多いため、高額です。
なので、サーバーやスパコンなどの用途で使用することが多く、一般向けで使うことはほとんどありません(使ってもメリットが少ない)
Xeonを搭載すると高額になるので、不要な方はカスタマイズでCoreシリーズを搭載した物を購入しましょう。
カスタマイズの幅が広いのは、購入者にとって選択肢が増えるのでとても嬉しいことです。
GPUも、ノートパソコンに搭載できるものの中では最高クラスの物を選択することができます。
ほかのThinkpadだと軽いゲーム向けのものや、ゲーム向けではないQuadroシリーズを搭載した物しかありませんでしたが、本機種は重量級のゲームができるものを搭載しています。
性能が高いのは良いのですが、一方で重量と大きさが気になります。
重量が2.74kgと、3kg弱で、厚さも3cmを超えています。
そのため、よっぽどのことが無い限りは持ち運ばないほうが良いでしょう。
なので、このパソコンは据え置き前提で購入したほうが良いです。
②外観
<筐体について>
金属製のため、全体的にがっしりしていて、たわむことはありません。
重いノートパソコンの場合、片手で持ち上げると、持ったところから折れそうになるものもありますが、このパソコンではそういった心配はいらなそうです。
電源に繋いだ状態で使うと、何もしなくてもファンが回った状態になりました。
騒音が気になる方は、パフォーマンスの調整を行ったほうがよさそうです。
また、ディスプレイが狭額縁タイプじゃないのが、少し残念です。
狭額縁にするとパソコン自体の体積が減少してしまいますし、フチの部分の耐久性が落ちてしまいますので、重量とのバランスが難しいのかもしれません。
この点は後続モデルに期待してます。
<キーボードについて>
キーボード面は剛性があり、文字入力中に強く押してもたわむことはありません。
キーボード配列はエンターキー付近のキーが小さくなっていて、人によっては打ちにくいかもしれません。
また、FnキーとCtrlキーの位置関係で、Fnキーの方が外側に来ているため、Ctrlキーを多用する方は、そのままだと使いにくいです。
この点については、BIOS設定で位置を変更したり、キー配列を交換するフリーソフトがありますので、自分好みにカスタマイズすることはできますが、会社等の複数人で共有する場合は注意が必要です。
<ディスプレイについて>
4K OLEDディスプレイなので、発色がとてもきれいです。
ゲーム等の映像の切り替えが激しいシーンを再生しても、残像感が少ないです。
液晶タイプの4Kディスプレイだとリフレッシュレートが60Hzのものでも、残像が激しいものがありますが、このディスプレイもリフレッシュレートが60Hzですが、残像がほとんどありませんでした。
さすがに120Hz以上のディスプレイほどは滑らかに動きませんので、1フレーム単位で勝負するゲームには向いていませんが、TVでゲームをするような感覚でゲームをする方には問題ないです。
ディスプレイ上部には顔認証カメラとWEBカメラが搭載されていて、WEBカメラについてはThinkシャッターで覆うことができますので、プライバシー保護がしやすいです。
<ポート類について>
右手側には、SDカードリーダーとUSB Type-Aがあり、左手側にはUSB Type-AとHDMI、そしてイヤホンジャックがあります。
このパソコンには背面にもポートがあり、有線LAN、電源ポート、USB Type-C×3が搭載されています。
この記事を書いている時点で、ほとんどノートパソコンは左右にポートが搭載されていて、背面には排気口のみあるのが一般的になりつつありますが、このパソコンは大きいのもあり、背面にもポートを搭載することができました。
背面にポートを搭載することには、メリットとデメリットがあります
メリットは、周辺機器を背面に搭載することで左右にスペースが生まれ、パソコン付近で作業しやすくなります。
また、背面のポートは左右に比べて取り外ししにくいため、頻繁に持ち運ぶ用途には向いていませんので、常時接続する据え置きタイプの使用に向けたポートになります。
デメリットはホテルや飛行機、新幹線等の狭いテーブルで使用するときに、背面にスペースが無いと背面のポートが使えない事です。
特に電源ポートは致命的で、奥行きがないテーブルだと電源をつなぐことすらできません。
この商品を購入するときに選ぶポイントとして、「据え置きが前提かどうか?」にフォーカスして考えてもらえればと思います。
背面ポートがThunderbolt 3に対応しているため、試しにUSB PD充電器を使って充電してみましたが、エラーメッセ―ジが出て残念ながら充電できませんでした。
本機種の充電器は230W出力の物が付属しているため、最大でも100Wしか供給できないUSB PDでは 消費電力の方が上回ってしまいます。
そのため、パソコンの設定でUSB PDでは充電できないようになっていました。
<充電器について>
ゲーミングノートパソコンだと、充電器の大きさが気になるかと思いますので重さと大きさを撮影しましたので、掲載いたします。
出力が230Wと大きいため、ケーブルも含めると1kg弱の重さになります。
パソコン本体も約2.74kgなので、これらを一度に持ち運ぶとなると、4kg弱の荷物になります。
③SSDやメモリの交換について
残念ながら、今回は許可が得られず、メモリやSSDのアクセス性が確認できませんでした。
しかし、レノボでは保守マニュアルを公開していて、パーツの交換方法が書いてあります。
それを見ると、あくまでも自己責任にはなりますが、メモリとSSDは交換出来そうです。
マニュアルのリンクを掲載しますので、もし交換を検討している方は是非ご覧ください。
また、m.2 SSDは片面実装タイプと両面実装タイプがあり、パソコンによっては片面実装タイプしか搭載できないものもありますので、パソコンを購入する前にあらかじめ購入する場合は片面実装タイプの方を選んだほうが良いです。
👇以下のリンク先の記事で片面実装タイプのm.2 SSDのまとめておりますので、是非ご覧ください。
④ベンチマーク
<CINEBENCH結果>
CINEBENCH R20のスコアが
マルチコア:3041
シングルコア:419
となりました。
比較対象として、過去にレビューしたRyzen 4900HSのスコアは
マルチコア:4141
シングルコア:482
でした。
同じコア数ですが、Ryzenの方が高性能でした。
とはいえ、Xeonは計算の正確さや一般では使わないような用途で使う事を重視したCPUで、目的が異なりますし、カスタマイズ構成にintelのCoreシリーズもありますので、この結果は参考までにしてもらえればと思います。
次にCINEBENCH R23も測定しました。
こちらは
マルチコア:8279
シングルコア:1121
となりました。
こちらもあくまでも参考程度にしたほうが良いです。
CINEBENCH R20実行時にはCPU周波数が3.3GHz付近で安定しました。
このCPUはベースクロックが2.8GHzでターボブーストすると最大で5.1GHzまで行きますので、ベースクロックを下回ってはいないですが、CPU温度が100℃まで到達しているのが気になります。
他のRyzen搭載ノートパソコンだとCPU温度が80℃~90℃まで上昇しているものもありますが、温度が高いとパーツの寿命に影響します。
その点で考えると、このパソコンはとても温度が高いです。
おそらくXeonの発熱が大きいのが影響していると思いますが、さすがにこの温度になると他のパーツの寿命が心配になります。
<動画変換スピード>
動画編集ソフトDavinch Resolve 17を使用して4K30fpsの動画をYoutubeのプリセットを使用して、フルHDの動画に変更するスピードを測定しました。
その結果、3分01秒ほどかかりました。
メモリ容量も多いためか、動画編集ソフトがもたつくことはありませんでした。
<3Dマーク結果>
フルHD画質であれば、高画質設定でゲームができそうです。
4K画質はゲームにもよりますが、画質を落とす必要がありそうです。
試しにウィッチャー3の高画質設定でフルHDと4K解像度をそれぞれ試してみましたが、フルHDは60fpsをキープ(垂直同期の影響)できましたが、4K解像度は30fpsを割るシーンもありました。
せっかくの4K OLEDを搭載しているので、4Kの高画質でゲームをしたいですが無理そうです。
⑤バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間はBBenchを使用して、フルHD60fpsの動画を再生し続ける方法で測定しました。
測定条件は以下の機内モード、最低輝度で計測しました。
その結果
1時間54分
となりました。
カタログ公称値が約17時間なので、1割弱となりました。
新品ではなく、レビュー機なのでバッテリーが消耗している可能性もありますが、それにしてもかけ離れた数値になりました。
もしかすると、CPUの性能を落とした状態で計測すれば、公称値に近づくかもしれません。
もともと据え置き前提の機種になりますので、バッテリーは停電時の保護用と考えて置いたほうがよさそうです。
⑥まとめ
良い点
✅ThinkPad(耐久性よし、キーボードのうち心地よし)に構成能CPUとGPUを搭載している
✅一般向けのCoreシリーズからデータの信頼性が高いのXeonシリーズが選択できる
✅メモリが128GBまで搭載可能
✅SSDが2つ搭載できる
✅背面にポートがあるので左右にスペースが作れる
✅4K OLEDタッチディスプレイ
✅ディスプレイの残像感が少ないのでゲームもできる
✅USB Type-A、Type-C、HDMI、有線LAN、SDカードスロットと、周辺機器が充実
✅WWAN対応なので携帯電話の電波があればインターネットに接続できる
悪い点・今後期待すること
✅ディスプレイを狭額縁化してほしい
✅キーの大きさを均等にしてほしい
✅AMD製のCPUも選べるようにしてほしい
✅バッテリーはあくまでも停電用
悪い点には重さは入れませんでした。
これだけのCPUを搭載すると、排熱がすごいためどうしても大型化する必要があります。
また、メモリモジュールも4枚搭載することを前提の設計にしているため、仕方がないと考えたためです。
このパソコンは「どこでも高負荷な作業ができる環境を構築する」のに最適なパソコンで、以下の方にオススメします
✅Thinkpadでゲームやクリエイター向けの作業をしたい方
✅デスクトップを置くスペースが無いので高性能なノートパソコンが欲しいかた
✅据え置きでいいのでできるだけ高性能なノートパソコンが欲しいかた
👇Thinkpad T15g 商品リンク(よほどの理由がない限り、Coreシリーズで)