こんにちは!
Thinkです。
これまで、環境計量士(濃度関係)(以下環境計量士と略す)の国家試験合格の体験談として、問題の解き方について記事を書いてきました。
試験まで2か月を切りましたが、既に問題集を何回も勉強されているかた、なかなか時間が取れなくて勉強できていないかた、さまざまな方がいらっしゃると思います。
今回は、なかなか時間が取れなくて勉強できていない方のために、機器分析について、ざっくり説明します。
もちろんきっちりと原理から説明するのが一番ですが、すべて書くと辞典のような文字数になってしまうので「詳しい説明は省くが、こうゆう分析できる」のようなざっくりとした感じに説明します。
今回はイオン電極濃度計について説明します。
①イオン電極とは?
特定のイオン(水素イオンは除く)に応答する電極の事を言う
pH計は、水素イオンに応答する電極なので、広い意味ではイオン電極の一種。
原理:特定のイオン電極と比較電極を接続して、試料溶液中の両電極間の起電力を測定することで濃度を算出する。
②特徴
- 測定前に感度校正するため、濃度の異なる2種類の特定イオン標準液が必要となる
- pH電極と同様、イオン電極の感度も温度の影響を受けるため、一定温度で測定する必要がある
- 測定したイオンにのみ応答するのではなく、性質のよく似たほかのイオンにも応答するため、測定に影響を及ぼす
- この影響を選択係数(目的のイオンと比較して、他のイオンにも応答する程度を表した係数)で示す。
③イオン電極に用いる応答膜
イオン電極の応答膜
- ガラス薄膜→ナトリウムイオン、水素イオン電極
- 銀塩系個体膜→塩化物イオン、臭化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン化物イオン、硫化物イオン、銀イオン、鉛イオン、銅イオン、カドミウムイオンなどの各電極
- 単結晶膜→フッ化物イオン電極
- 液体膜あるいはプラスチック固化膜→硝酸化物イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの各電極
- ガス透過性膜→アンモニア電極
がある。
応答膜の違いにより、内部抵抗が異なり、測定方法、電極保管方法や電極のメンテナンス方法などが多少異なる。
④共存イオン影響の例
共存イオンの事を目的イオンに対する「妨害イオン」と呼ぶ
例えばpH応答ガラス電極は水素イオン電極と解釈でき、共存イオンの影響をほとんど受けないが、水素イオン以外のアルカリ金属イオンの影響を少し受ける。
⑤まとめ
短いですが、イオン電極について概要を書きました。
pH計に関する問題とイオン電極に関する問題は、毎年交互に出題される傾向がありますが、どちらも広い意味でイオン電極に該当するので、両方覚えておいたほうが良いです。
また、昨年の問題だと、イオン電極とイオンクロマトグラフィーの比較問題もありますので、どちらの特性も良く理解しておいたほうが良いです。
イオン電極→共存イオンの影響を受ける
イオンクロマトグラフィー→共存イオンは分離して測定する
のように、原理を知っていれば、どちらがより正しい測定値が得られるか推測することができます。
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